H3-MoM_H³ 第21回:医療ビッグデータ超入門_20190328
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written by ryosukick.icon
2019年3月28日(木)19:00-21:00 @ 神田
(医療ビッグデータ超入門)
【講師】
九州工業大学卒業後、メディカル・データ・ビジョン株式会社に入社。 医療機関に対する経営支援やシステム企画に携わった後、新規事業開発業務に従事。
S589
【概要】
定義は極めて難しい。ざっくりいうと「Excelではできないくらい(何百万単位以上)」のデータ系列を対象する。「非構造化データ」「非定型化データ」などが関わると、更に複雑性が高まり、ビッグデータ感が高まる。 医療業界における典型的な非構造化データは①電子カルテ、②医療画像データなど。
現状よく使われるデータは、以下の3つ
医療機関による公的保険に基づく診療報酬の売上請求に用いられたデータ
医療機関による医療行為の内容と売上内容がわかる
エンジニア目線では、非常に扱いづらいデータ形式
急性期病院(手術をやるような病院)で用いられている診療報酬の請求データ 電子レセプトデータよりは比較的そのまま扱いやすいデータ形式。
電子レセプトでは取得できない金額丸め項目等も取得可能。例えば、包括払によってレセプトデータ上では省略されてくる投薬・処置の内容が具体的にわかる点が利点。 診断・治療の内容は患者の背景情報も含めて記載している最もリッチなデータ
但し、データ形式はかなり乱雑。薬剤等の情報も呼び方が異なるので名寄せが必要になったり、所見データなどの自然言語ベースの情報が多いので、自然言語処理が重要になる。 日本で使えるヘルスケアデータ
参考)
データの取得元
電子レセプトデータ
DPCデータ
メリット
高齢者データが豊富
ガンや手術実施症例のデータが豊富
デメリット
データの連続性
電子レセプトデータ及びDPCデータが元データ
メリット
健常者のデータが取得可能
データの連続性が一定ある(転職、退職があればこの限りでない)
デメリット
高齢者のデータが少ない
データの反映が遅い
多くは門前薬局の電子レセプトデータを元にしている
メリット
データの反映が早い
調剤薬局における後発品切り替え等が把握可能
デメリット
病名および診療行為等のデータがない
どのデータも一長一短。調査内容に応じて使うDBを検討すべき
病院における活用状況
メディカル・データ・ビジョン(MDV)は2003年という医療ビッグデータという言葉がない時代に創業。医療界隈のベンダーに「データ活用したい」と病院側がいうと、ベンダーから「XXX万円ですね」という見積もりが帰ってくるような時代だった。そういう時代に、医療データのインフラを作りたいと思い、病院の経営支援をしながらデータベースを構築してきた。そこで構築したデータベースを通じて、製薬メーカーやヘルスケア関連事業会社向けにデータ提供・分析サービスを提供している。以下は、当社におけるデータ活用の事例を示す。 病院におけるデータ利活用
事例
他院との医療資源投下状況を比較し、収益因子になる要素を提案
医療経営コンサルティングの肝は、施策をいきなり提案するのではなく、他院の例を可視化して示すこと データ活用のポイントはデータチェック(コーディング等)。入院中の症例含めコーディングチェックができる。
病院経営支援における体験談
20年管理会計を行っていた経理責任者が退職。それまで使っていたExcel50シートに及ぶ大作が、そもそも間違っていたので、ゼロからシステムを構築した。 院長に依頼され、管理会計の結果を各診療科の責任医師の前で発表。赤字診療科の医師から結果に対して猛抗議。以降、院内全体と対象診療科(主に赤字)のみに絞って、個別説明対応に切り替えた。数字の一人歩きの怖さを実感。「伝え方」がとても大事
製薬メーカー→薬品卸業者→医療機関→患者という流れで届く
ここから生まれるデータは
参考
従来は診療データはなく、出荷データ・倉出データしかなかった
そのなかで新薬の販売状況をみると、初月に大きくのびて(納品されて)、あとはちょぼちょぼ
実際の処方の状況は、徐々に浸透していって、伸びていく。診療データが取れるまではコレがわからなかった
製薬会社の悩み
自社製品の使用状況を詳しく知りたい(マーケティング/営業)
自社製品の有効性・安全性を確認したい(Medical Affairs)
二次利用を考えるなら、そのニーズ有りきでデータを取得・加工する必要がある MDVデータの特徴
圧倒的なデータボリューム
豊富な高齢者層データ
細かなデータ粒度で日単位での分析が可能
タイムリーなデータ更新
入院サマリのデータ項目を組み合わせながら抽出・分析できる 薬剤の場合は消費財と違って、切り替えには明確な理由がある。薬剤の切り替え、継続、脱落のトラッキングがどの程度できるか、それをデータで示す
論文作成の事前調査に協力することもある。出血性イベントに関する解析調査など。
製薬企業における調査の課題
チーム体制
データマネジメント
今後MDVがやっていきたいこと
カルテは誰のものでしょうか?
①国
②病院
③患者
MDVとしては、患者のものだと考えている。対価を払っているのは患者自身。ただ、病院にいって「カルテ下さい」というと、病院側は「・・・ど、どうかされましたか?」となるのが現状。
診療情報の患者向け開示をカルテコ事業として進めている 患者自身が診療データを持ち、医療機興味を持ち、自然に医療リテラシーが上がるという社会を創りたい
【Q&A】
Q. クリニック向けに電カルを提供するメーカーは、そこに記載されるデータの利用権を持っているケースがあるのでしょうか?(規約次第だと思うのですが、利用のパーミッションをとっているケースはあるのでしょうか?)
A.
Q. 個人情報保護法との関係でどのようにデータを取得しているのでしょうか? 同意、委託、匿名加工、いずれの構成でしょうか? 委託の場合、委託目的が済んだら廃棄せざるを得ないと思いますが A.
Q. 電子カルテの所見の部分を構造化する取り組みってありますか? A.
Q. 医療機関のデータを収集したい場合、どのような方法がありますか?
A.
Q. 医療の会計はかなり複雑だと思います。 一般的に、院内には医療経営にお詳しい方はいらっしゃるものでしょうか? または、チェック体制は存在しているものでしょうか? 監査などの仕組みもご存知でしたら教えていただきたいです。
A.
Q. 本日の内容で電子カルテデータと臨床検査データはイコールと考えてよいのでしょうか? 臨床検査データも病院と企業間の契約、または関係性で病院以外の企業が利用は可能な状況でしょうか?
A.
Q. MDVさんの持っているデータの個人情報ってどうなっているんですか?(ここまで詳しいデータだとほぼ特定できてしまうのではないかと・・・)
A.
A.
Q. 患者さんが診療データを持つと世界を実現する中での難しさってなんですか?
A.
Q. 現状DPCは全ての入院に適応されているんでしょうか?
A.
Q. 病院と薬局のデータは現状全く共有されないんでしょうか?
A.
Q. 病院、健康保険組合、調剤薬局、それぞれどこの会社が多くデータを持っているのでしょうか?病院はMDVだと思いますが。
A.
Q. 病院がDPCに入るメリットってあるのでしょうか?
A.
Q. MDVさんのデータチェック機能は、正解データを何とおいているのでしょうか?(正解データがないと付け合わせが出来ない?と思ったのですが)
A.
Q. 病院に対してデータ解析のレポートを返したりされたりしているとのことですが、製薬メーカーに対してもデータを提供するだけでなくデータの解析をされたり、コンサルをされたりもするのでしょうか?
A.
A.
Q. (個人情報の絡みで、)次世代医療基盤法についてMDVさんへの影響や考えを教えてほしいです A.
Q. データベンダーとしてバリデーションを求められる際にどのように対応していますか。
A.
Q. 診断のセカンドオピニオンに関するサービスを提供される予定、と冒頭でおっしゃっていましたが、差し支えない範囲でご教示いただけますでしょうか A.
Q. 電子カルテってどこまで正確に記録されるものなのでしょうか?ペナルティなどはあるものでしょうか?
A.
Q. NDBのデータ収集の範囲はどんなものでしょうか?一般に公開されていますか?
A.
Q. データそのものよりも、何が結果としてほしいかが重要というのが今ひとつわからず、どうキャッチアップすればよいか?
A.
Q. IBMがブロックチェーンを使って、製薬業界とかと一緒にやる、という記事がありましたが、どういう意味なんでしょうか? A.
Q. 費用はどのぐらいかかるのですか。
A.
Q. 治験のデータ活用は、病院のレセプトデータから、被験者のリクルーティングや治験実施施設の選択のあたりでしょうか。他に治験で活用できるところはありますか?
A.
Q. 製薬企業におけるPMSデータ活用の具体例を教えて下さい。
A.
Q. リサーチクエスチョン次第で必要となるデータ量は全然異なってくると思うが、そのDBに関する設計指針とかはありますか? A.
Q. 治験は介入研究をMDVがしているということ? A.
A.
Q. 医療機関間の情報共有に置いて様々な取り組みが行われ、あまりどこもうまく行っていないと思うのですが、どうお考えでしょうか?患者さんがデータを持てば、医療機関間の情報共有も実現できるのでしょうか?
A.